海の原発汚染

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Creative Commons License photo credit: Gonmi
福島原発20km圏内、いわき市久之浜漁港の協力により2011年11月、東京海洋大学石丸隆教授がメインとなり海の生物を調査することになった。
福島原発を冷却するために使われた冷却水、その総量10京ベクレルが海洋に放出された。
原子力保安院は、事故当初、海水により拡散し、魚や海藻が取り込む量は相当少なくなるとの見解を示していた。

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原発直下の海底では2.5マイクロシーベルトだった。
海底土を調査すると4520ベクレル/kgとなり、15,000倍の濃度だった。
保安院の言うこととは正反対に、セシウムは海底に溜まってしまっていた。

普段使用していた漁場で、魚の体内にどれだけセシウムが含まれているかを調査した所、以下の結果となった。

メバル 2300ベクレル/kg
アイナメ 1400ベクレル/kg
コモンカスベ 1700ベクレル/kg

どれも暫定基準値500ベクレル/kgを大きく超えるセシウムが検出された。

 

 

ゴカイと底魚を調査した。ゴカイは土に付着する土に付着する微生物を食べる。底魚は海面近くに生息してゴカイを食べる。
海底土は304ベクレル/kg。ゴカイは130ベクレル/kgあった。そしてゴカイを食べるナメタガレイは316ベクレル/kg。
食物連鎖により、セシウムは体内に蓄積することがわかった。

 

チェルノブイリでは2年程度でようやく落ち着いてきたが、福島の場合はもっと量が多いのでそれ以上の調査が必要となるとされる。
国は4月から暫定基準値を100ベクレル/kgに変更するとしている。

沿岸流

沿岸流とは川から海に流れ出ていく水が、地球の自転により、南に向かって流れていく潮の流れをいう。
調べてみると、汚染は原発の南に広がっていた。濃度は福島の300低いもののセシウムが検出された。
いわき市にいたっては380ベクレル/kgがけんしゅつされ、海流の流れでホットスポットが形成されているのではないかという予想だった。
海中は陸と違い常に動くため、常に計測しなければならない。

湖の汚染

赤城大沼は山に囲まれ、動きも少ないので湖底に貯まる。プランクトンから魚になり魚が死に微生物になればまた湖底にたまるという、悪循環が生まれている。

 

東京湾の奥、江戸川荒川の当たりで、最大872ベクレル/kgが検出された。これは原発20キロメートルと同じ。さらに加工から8kmでは1682ベクレル/kgが検出された。都市圏内でかき集められ流されたセシウムが東京湾に向かって降り注いでいるのだ。川底のセシウムは年に5km。東京湾の汚染が最もひどくなるのが2年2ヶ月後。2014年3月。
東京湾は入り口が狭いためなかなか海に出ていかず、汚染は10年以上に渡って続くとされている。