3月11日午後2時46分18秒
閖上(ゆりあげ)地区、午後三時五十五分に津波が到達。そして700の命が奪われる。
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電気、防災無線も止まり、液状化現象が起こる。壁は崩壊し、電柱も折れた。
地震の十分間、人々は行動を起こさなかった。人々は散乱した家財を片付けたり、周囲の様子をみたり、極めて冷静、というよりものんきだった。
専門家
人間は避難したがらない動物。正常性バイアスといって、危険を危険と認知しないように無視してしまおうという心的な枠組みがある。
典型的な例が、韓国の車両火災時、アナウンスの「しばらくお待ちください」という放送を鵜呑みにしてしまって、逃げることなく200人が死んだ。
海の近くの地域よりも、少し離れた内側の地区のほうが死者が多かった。
それは「貞山堀を超えて津波は来ない」とその土地の人間が信じ込んでいたからだ。みんなが貞山堀を覗き込んで軽い気持ちで堀の様子を眺めていた。
1960年に起きたったチリ地震大津波で閖上はほとんど被害にあわなかった。その事から「津波が起きる時、貞山堀が干上がる。貞山堀を超えて津波は来ない」という信仰が生まれた。これが正常性バイアスを強めることになった。
75歳以上のお年寄りが4割を超える地区では、災害から救うために訪ね歩く人が命を失っている。
災害時には自分の命を顧みず愛他行動という心理が動く。
専門家「これは美談だけど特別視してはいけない。これを教訓として考えるべきだ。」
閖上公民館には避難訓練で避難所となっていた大通り沿いの小学校、中学校、公民館に人が集まった。想定内ではここにいれば安心だ、ということだったが、結果すべて津波に襲われた。
一番被害のあったのは、大通りであった。
公民館は鉄筋二階建て。
ラジオでは津波の高さ10メートルとの情報が流れるが、殆どの人々はラジオに耳を傾けることはなかった。
公民館へ向かった一人がカーラジオでこの情報をキャッチして、急いで駐車場を無視し公民館の校庭に突入し大声で「津波が10メートルが来る」と伝えたがみんなきょとんとして、校庭にいたまま津波にいてなくなった方が大勢いた。
更には公民館の中で、「公民館は危ない、別の避難所へ急げ!」との噂が広がる。
そしてみんなで大通りを移動し、車の大渋滞が起きて、その最中に大勢の人がなくなった。(同調バイアス)
避難訓練、防災教育では以上のような行動は組み込まれていなかった。
これかのの防災教育で活かすことが出来るのか。